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2023.12.01

【扶養控除】年収178万円、130万円の壁とは。中小企業が対応すべきことを解説(2026.1.9更新)

年収の壁とは、パートタイムやアルバイト労働者が世帯主の扶養範囲内で働く際に適用される年収基準です。

「106万円」「130万円」のようにいくつか基準があり、年収が一定額を超えると世帯主の扶養範囲から外れ、社会保険料などの負担が発生し、手取りが減少することがあります。

そのため、パートタイムやアルバイトで働く労働者が年収の壁を超えないように「働き控え」を検討するパートタイムやアルバイト労働者が存在しているのです。

また、2026年(令和8年)の税制改正により、基礎控除および給与所得控除が引き上げられ、いわゆる「160万円の壁」を178万円に引き上げられる予定のため、注目している方も多いかと存じます。

この記事では、年収の壁と中小企業が今後対応すべきことについて詳しく解説します。

※2026年1月9日更新
※本記事の内容は、2025年(令和7年)12月19日発表の「令和8年 与党税制改正大綱」の内容を元に更新しています。税制改正大綱は方針を示すものであり、今後本記事とは異なる内容に変更される場合があります。



年収の壁の種類

被扶養者(扶養される側)

被扶養者の年収 住民税 所得税 社会保険料
100万円以下 不要 不要 不要
100万円超 発生
103万円超
106万円以上 条件を満たす場合は発生
130万円以上 発生(60歳以上や障害者の場合は180万円以上)
160万円超
178万円超 発生
201万円超
扶養者(扶養する側)
被扶養者の年収

扶養控除

配偶者控除

配偶者特別控除

特定親族特別控除
100万円以下

不要





対象

なし

不要
100万円超
103万円超
106万円以上
123万円超 配偶者特別控除に切り替わる 対象
130万円以上
150万円超 控除額の縮小 発生
178万円超 発生
201万円超 なし

税金に関わる壁

税金の増加に関わる年収の壁は、以下の4種類あります。

①100万円の壁
住民税が発生するライン。住民税額は所得金額に加え、住んでいる自治体によって異なる。

②150万円の壁
配偶者特別控除を満額受けられなくなるライン。被扶養者の年収が150万円を超過すると、扶養者である配偶者が適用できる配偶者特別控除額は段階的に縮小するため、年収が増えるほど配偶者の所得税や住民税も増加する。
参考:配偶者特別控除とは|国税庁

特定親族特別控除(2025年(令和7年)新設)を満額受けられなるライン。19歳以上23歳未満の被扶養者の年収が150万円を超過すると段階的に控除額が縮小する

②178万円の壁
住民税に加えて所得税が課税されるライン。178万円までは、基礎控除62万円+基礎控除の上乗せ特例 42万円+給与所得控除69万円を差し引くと0円となり、所得税が発生しないが、178万円を超えると所得税が発生する可能性がある。

※2026年(令和8年)税制改正で、基礎控除が58万円から62万円へ、給与所得控除が65万円から69万円に引き上げられる予定です。

基礎控除の特例(上乗せ)について
2026年(令和8年)の税制改正では、「基礎控除の特例」について、最大控除額を37万円から42万円に引き上げられ、対象者を現行の給与収入200万円相当から665万円相当まで拡大されます。

基礎控除の上乗せ特例 変更内容
給与収入 現行 改正後
200万円相当まで 37万円(恒久措置) 42万円(うち37万円は恒久措置)
200万円相当から475万円まで 30万円 42万円
475万円相当から665万円相当まで 10万円 42万円
665万円相当から850万円相当まで 5万円 5万円

税理士法人AOIみらい 公式ブログ 関連記事
【速報】2026年度(令和8年度)税制改正大綱を解説

④201万円の壁
扶養者である配偶者の所得税や住民税を計算する際の配偶者特別控除額がゼロになるライン。

社会保険に関わる壁

社会保険に関わる年収の壁は、以下の2種類です。

①106万円の壁
従業員数51人を超える企業に勤務し、週の所定労働時間が20時間以上、かつ月額賃金が8万8千円以上(年収換算で約106万円以上)の労働者に、社会保険の加入義務が発生

②130万円の壁
配偶者(世帯主)の社会保険の扶養から外れるライン。

2026年10月以降、「106万円の壁」が撤廃

社会保険の加入要件は、今後数年で大きく変更されます。

2026年10月以降、週の所定労働時間が20時間以上の従業員(学生を除く)は、原則として全員が社会保険の加入対象となります。賃金要件(月額8.8万円)の撤廃、企業規模の段階的撤廃が行われ、「106万円の壁」が撤廃されます。

なお、「週20時間以上」という労働時間の要件は変更がないため、週20時間未満の労働者については、現状のまま加入義務は発生しません。

社会保険加入対象拡大 主なスケジュール
・2026年10月:賃金要件(月額8.8万円以上)の撤廃
・2027年10月以降:企業規模要件の段階的な撤廃
・2029年10月:個人事業所 常時5人以上のものを使用する全業種の事業所適用対象
(※現在は法定17業種が対象)


扶養控除、扶養親族とは

扶養親族とは誰を指すのか

扶養親族とは、その年の12月31日時点で、次の要件の全てに当てはまる人を指します。

配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいう)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること

・納税者と生計を一にしていること
・年間の合計所得金額が58万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が123万円以下)
・青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと

参考:扶養親族|国税庁

また、扶養親族の中でも控除を受けられる対象は、16歳以上と定められています。

「配偶者控除」と「配偶者特別控除」

配偶者控除
納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合、納税者本人の税金(所得税・住民税)を一定額減らすことができる制度を「配偶者控除」といいます。

適用条件
・納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であること
・配偶者の年間合計所得金額が58万円以下(給与収入のみの場合は123万円以下)であること
・法律上の配偶者であり、生計を一にしていること
・配偶者が事業専従者でないこと

参考:国税庁「No.1191 配偶者控除」
控除を受ける納税者本人の
合計所得金額
控除額控除額
一般の控除対象配偶者 老人控除対象配偶者
900万円以下 38万円 48万円
900万円超950万円以下 26万円 32万円
950万円超1,000万円以下 13万円 16万円

配偶者特別控除

配偶者に58万円を超える収入があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合があります。これを「配偶者特別控除」といいます。

具体的には、以下の条件を満たす必要があります。
・納税者本人(控除を受ける側)の合計所得金額が1,000万円以下であること
・配偶者の合計所得金額が58万円超133万円以下であること
・配偶者が、民法の規定による配偶者であること(内縁関係は該当しない)
・配偶者が、控除を受ける人と生計を一にしていること
・配偶者が、その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていない、または白色申告者の事業専従者でないこと
・配偶者が、配偶者特別控除を適用していないこと
・配偶者が、給与所得者の扶養控除等申告書または従たる給与についての扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として、源泉徴収されていないこと(配偶者が年末調整や確定申告で配偶者特別控除の適用を受けなかった場合等を除く)

控除額は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額、および配偶者の合計所得金額に応じて異なります。
以下の表は令和7年分以降の金額です。(参考:国税庁「No.1195 配偶者特別控除」

配偶者特別控除 控除金額
控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円以下 900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下

配偶者の合計所得金額









58万円超 95万円以下 38万円 26万円 13万円
95万円超 100万円以下 36万円 24万円 12万円
100万円超 105万円以下 31万円 21万円 11万円
105万円超 110万円以下 26万円 18万円 9万円
110万円超 115万円以下 21万円 14万円 7万円
115万円超 120万円以下 16万円 11万円 6万円
120万円超 125万円以下 11万円 8万円 4万円
125万円超 130万円以下 6万円 4万円 2万円
130万円超 133万円以下 3万円 2万円 1万円

178万円の壁、130万円の壁の違い

給与所得に関する扶養には「税法上の扶養」「社会保険上の扶養」の2つがあります。それぞれの違いを解説します。

「178万円の壁」は税法上の扶養

「160万円の壁」は税制上の扶養控除に関する年収上限を指します。
16歳以上の被扶養者(配偶者、子供)は、税法上の扶養に入っているとを所得税や住民税の一部が免除されますが、被扶養者の給与所得が178万円を超えると支払う税金が増えることになります。

「130万円の壁」は社会保険上の扶養

「130万円の壁」は社会保険上の扶養控除に関する年収上限を指します。
社会保険とは、健康保険と厚生年金保険の総称です。勤務先の社会保険に加入しているサラリーマンが配偶者・子供を扶養にいれると、配偶者・子供の健康保険料が0円となります。

※本人が支払う社会保険料が安くなるわけではありません。
※配偶者の場合は国民年金の支払いも0円になります。

年収が130万円を超えた場合、扶養者の社会保険の扶養から外れます。国民健康保険や国民年金、または社会保険の保険料が発生します。その結果、保険料の支払いにより、130万円未満で働いていたときよりも手取り額が減少することがあり、これがいわゆる130万円の壁です。

参考:従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き|日本年金機構


まとめ

本記事では、年収178万円、130万円の壁と中小企業への影響について解説しました。

経営者としてこれらの知識を持つことは、労働時間の適切な調整や人件費の効率的な管理に欠かせません。また、従業員にとって働きやすい環境を整えることで、優秀な人材採用や育成にも繋がるでしょう。

弊社のグループ法人には社会保険労務士法人もございます。
働きやすい環境作りや、人件費の適切な管理について疑問や不安があれば、税理士法人AOIみらい(東京都新宿区)にお気軽にご相談ください。

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