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2025.08.24
社員が主役のプロジェクトで会社は変わる。AOIみらい『TEAM PRIDE』の軌跡
税理士法人AOIみらい 代表取締役・CEOの杉山です。
弊社は7月に新しい期(第6期)を迎えました。それに伴い、全社員が参加する恒例の『第6期 経営計画発表会』を開催し、今期のテーマや方針、そして私たちが描く未来像を共有しました。
そして今回は、従来の経営計画発表会と違い、社員が主役のプロジェクト『TEAM PRIDE(チームプライド)』の発表がありました。この記事では、『TEAM PRIDE』とは何か、どのような想いで始まり、どのような成果に繋がったのか、その全貌をお伝えしたいと思います。
なぜ『TEAM PRIDE』は始まったのか
前々期(第4期)のテーマは「チームビルディング」でした。この取り組みによって、チーム間のコミュニケーションは大きく進展し、それまで個人レベルに留まりがちだった情報が、全社でオープンに共有される文化が生まれました。
そして前期(第5期)、私たちはその土台の上で、さらに大きな一歩を踏み出すことにしました。それが『TEAM PRIDE — 1st STAGE』です。
目指したのは、「チームビルディング」で築いたオープンコミュニケーションの先にある、社員一人ひとりが仕事に自信と誇りを持ち、自律的に物事に取り組むことで、チーム自体が成長していく組織です。
経営陣からの指示を待つのではなく、メンバー同士が互いに声をかけ、協力し合い、相乗効果を生み出していく。そんな働き方を、私たちの文化にしたいと思って取り組みました。
「全員が当事者」で描く、ビジョナリーフォーカス
このプロジェクトを力強く導いてくれたのが、組織人事の専門家・ハナサカワークス株式会社の齋藤裕己さんです。
昨年9月18日のキックオフの日、齋藤さんは「この1年間、何を目標にして走っていくのか、みんなで意見を出し合って決めましょう」と呼びかけ、「ビジョナリーフォーカスというチームの目標を掲げて、一致団結してやっていこう、成果を出そう」と、私たちの背中を押してくれました。
そして、社員は「どんな状態になったら最高の会社になるか」を全員で考え抜き、自らの手で3つの高い目標「ビジョナリーフォーカス」を掲げました。
・社員満足度90%以上
・決算賞与1人10万円以上
・マイナス理由の離職ゼロ
最も重要なことは、「全員が当事者である」こと。誰一人として観客になるのではなく、全員がフィールドに立つ選手として、会社の未来を創り出す9ヶ月が始まりました。
4つのチームが起こした変革と成果
プロジェクトは「広報」「教育・採用」「生産性向上」「営業」の4つのセクションに分かれて進められました。各チームが、それぞれの領域で素晴らしい成果を上げました。
広報チーム:「働きやすさ」を一つずつ形に
広報チームは、「働きやすい環境」をスローガンで終わらせず、具体的な制度や文化として根付かせるために活動しました。
・有給休暇を取りやすくする 「基準労働時間数カレンダー」の改善
・気軽にリフレッシュできるオフィスお菓子の導入
・社員同士の繋がりを深める年2回の懇親会
・チームの垣根を越えたコミュニケーションを促す月1回「ランチweek」の設置
・ランチタイムの楽しさを広げる「社内ランチマップ」の作成・運用
・福利厚生をより身近で使いやすくするアプリ「W Perk」の導入
・社員の食事をサポートする「チケットレストラン」の導入決定
・より良い会社づくりのため、社員の声に耳を傾ける満足度アンケートの実施
また、社員満足度アンケートでは、全体の満足度が5ヶ月で61%から64%へ向上し、特に「人事制度への満足度」が40%から71.4%へ大きく改善したことが明らかになりました。
全体の満足度は目標の90%に対し64%という結果でしたが、満足度に伸びしろがある理由も明確になり、現状の魅力と改善点の両方が見えたことで、次の一歩が明確になったことが大きな収穫でした。
教育・採用チーム:未来を創る「仲間」と「成長基盤」
教育・採用チームは、3つの力強いコミットメントを掲げて活動しました。
・即戦力となる経験者を採用する!
・AOIみらいオリジナルの「他社が喉から手が出るほど欲しがる体系的な教育プログラム」を確立する!
・離職する理由をなくす、定着する理由をつくる
採用については、テレワークやフルフレックスといった働きやすさを魅力として打ち出し、6ヶ月間で230名ものエントリーの中から、即戦力となる経験者3名を採用することができました。
教育は、私自身が責任監修する独自の教育プログラム『AOIみらいBASIC』を開始しました。社会人としての基本と業務スキルを1年間で習得するプログラムで、対話と振り返りを通じて、受講者の主体性と成長を促すものです。
また、経験者でも戸惑いがちな社内独自のフローや未体験の会計ソフト、社内システムについて、中途採用者がスムーズに業務に取り組めるようフォローするマニュアルも作成を進めています。これらの取り組みが実を結び、試用期間が終了した正採用者からの退職者ゼロを達成しました。
生産性向上チーム:「時間」と「利益」という価値の創出
生産性向上チームは、4つのテーマで取り組み、私たちの業務の一つひとつが、大きな価値創造の可能性を秘めているかを教えてくれました。
・入力チーム変革:業務標準化とスキルアップ
・記帳代行の最適化に向けて:工数削減プロジェクト(3社)
・社内ルールブック公開:フロー、マニュアル、社内ルールの一元化
・確定申告チーム発足:専門性と効率化の両立
1つ目の「入力チームの変革」では、アンケートや勉強会を通じて現場の課題を丁寧に吸い上げ、業務の標準化とスキルアップを推進しました。その過程で生まれた確認ツール「記帳代行モヤリハット」は、業務判断の共通認識を形成し、サービス品質の安定化に大きく貢献しています 。
2つ目の「記帳代行の最適化」は、この活動のハイライトとなりました。トライアルの工数削減プロジェクトでは、合計45.24時間の業務削減に成功し、2社合わせて約30万円の利益を創出。業務改善が直接利益を生むことを、具体的な数字で力強く証明してくれました。
3つ目は「社内ルールブックの公開」は、これまで散逸しがちだった業務フローやルールを、社内ルールブック『あおいちゃんの成長ログ』としてNotionに一元化しました。これにより、誰もが必要な情報にいつでもアクセスでき、特に新しいメンバーがスムーズに業務を習得できる環境が整いました。
そして4つ目は、「確定申告チームの発足」です。確定申告の繁忙期に向けて、専門性と効率化の両立を目指す専門チームを立ち上げ、万全の体制を構築しました。彼らの活動は、日々の業務の中にこそ成長と価値創造の機会があることを示してくれました。
営業チーム:「全員で」掴んだ、奇跡的な大逆転
高い目標を掲げた今期、期末ギリギリまで目標達成は困難と思われていましたが、最終的には見事達成。売上額は前年比242%増、成約件数は前年比348%増となりました。
これは、安定収益の基盤となる顧問契約件数の増加が牽引したもので、コンサルティング提案といった私たちの強みがお客様に評価された証です 。また、新たな取組としてスポット契約、保険契約の目標件数を設定して取り組んだことも、この成果に繋がりました。
今後は、この成果を属人化させず、チームでさらに高めていくため、進捗共有、課題共有を徹底します。
さらに、マニュアルやツールを活用して営業プロセスを「仕組み化」し、商談データを分析して行動を最適化する「見える化」を進めることで、チーム全体で安定した成果を上げていきます。
私たちの挑戦は、TEAM PRIDE 2nd STAGEへ
9ヶ月間、プロジェクトを走り抜けてくれた社員の皆さん、牽引していただいたハナサカワークス齋藤さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。
正直に言うと、5月末の段階では、売上目標の達成は到底難しいと思っていました。ですが、そこから滑り込みに滑り込みを重ね、最終的な達成率は100.2%。99.9%で終わるのとは雲泥の差がある、劇的な勝利でした。
これは、営業担当だけの力ではなく、これは全員で勝ち取った結果です。『TEAM PRIDE』というプロジェクトがなければ成し遂げられなかったと、私は確信しています。
最大の推進力は、「全員参加の当事者意識」でした。誰一人として観客になることなく、全員が「自分ごと」として会社の未来を考え、行動したこと。これが組織全体の巨大なエネルギーとなりました。
また、第4期から取り組んできた「チームビルディング」によって育まれた、オープンなコミュニケーション文化も成功の土台となりました 。チームの垣根を越えて課題を共有し、協力し合う風土があったからこそ、各チームがそれぞれの役割を全うし、互いを助け合いながら目標に向かうことができたと感じています。
先行投資が想定以上にかさんだため、1人10万円には届きませんでしたが、それでも決算賞与を支給できたことを、私は誇りに思います。
私たちの挑戦は第6期の『TEAM PRIDE 2nd STAGE』に続きます。「よりチームが機能的に動くこと」を目的に、プロジェクトをさらに深化させていきます。