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2024.03.30

2024年 定額減税|給与所得・公的年金・事業所得別の減税方法、適用時期とは

2024年6月から、所得税3万円・個人住民税1万円の定額減税が行われます。

賃金上昇が昨今の物価高に追いついていない国民の負担を緩和するために、デフレ脱却の一時的な措置として、実施される政策です。

本記事では、給与所得者・公的年金受給者・事業所得者別に、減税方法・実施時期を解説します。所得の種類別に減税方法や実施時期が異なりますので、自身がどれに該当するのか、手続きが必要かをご確認ください。

※本記事は2024年(令和6年)3月23日時点の情報です。
※給与計算のご担当者さまは、対応方法・注意点をまとめた解説記事をご覧ください。


定額減税の対象者・減税額

対象となる方

以下の要件を満たす方が定額減税の対象となります。

①国内に住所を有する個人または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人
②2024年分(令和6年分)の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下(給与収入のみの方の場合、給与収入が2,000万円以下)

※所得税は令和6年分、個人住民税は令和5年分の合計所得金額をもとに定額減税対象を判定
※子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2,015万円以下

定額減税額

※1 日本国内居住者に限る
※2 国外居住者を除く
※3 令和7年度分の所得割の額から控除
※4 「同一生計配偶者」=納税義務者と生計と一、かつ合計所得金額48万円以下
※「控除対象配偶者」=同一生計配偶者のうち、納税者の前年の合計所得金額が1,000万円以下

税目 種別 減税額
所得税 本人 ※1 3万円
同一生計配偶者 ※1※4 3万円
扶養親族 ※4 3万円/人
個人住民税
(所得割)
本人 ※1 1万円
控除対象配偶者 ※2※5 1万円
扶養親族 ※2 1万円/人
控除対象配偶者を除く同一生計配偶者 ※2 1万円※3

適用時期

定額減税の適用時期は、所得の形態によって異なります。

・給与所得者:2024年(令和6年)6月1日以降の給与から
・公的年金受給者:2024年(令和6年)6月以降の年金から
・事業所得者:2024年分(令和6年分)の確定申告

『同一生計配偶者』『扶養親族』の減税は書類手続きが必要な場合も

減税額は「同一生計配偶者と扶養親族の数」に応じて、「本人3万円」と同一生計配偶者・扶養家族1人につき
3万円の合計額となります。

例:同一生計配偶者あり、扶養親族2名の場合

同一生計配偶者と扶養親族の数は3名となるので、
3万円(記事本人分)+3万円×3名=12万円(月次減税額)

個人事業主が扶養親族分を減税する場合は、2024年(令和6年)7月31日までに予定納税の減額申請が必要です。忘れずに手続きを行いましょう。

また、「配偶者」「扶養親族」については、所得税法上の要件と定額減税での要件が異なります。違いを把握し、必要に応じて書類等の手続きを行いましょう。

配偶者
配偶者控除 定額減税
本人の合計所得金額 900万円以下 900万円超も対象
配偶者の合計所得金額 95万円以下 48万円以下
※給与所得者の場合は103万円以下
※同一生計配偶者
居住地 国外在住の配偶者も対象 国内居住者のみ対象

扶養親族
配偶者控除 定額減税
扶養親族の年齢 16歳以上 年齢制限無し
※合計所得金額48万円以下
※給与所得者の場合は103万円以下
居住地 30歳未満・70歳以上なら国外在住も対象 ・日本国内居住者のみ対象
・本人と同一生計

給与所得者の場合

所得税

所得税の定額減税は、『月次減税』と『年調減税』があります。

月次減税
2024年(令和6年)6月1日以降に支給する給与/賞与において、源泉徴収額から月次減税額を可能な限り控除します。1回目の給与・賞与の源泉徴収で控除しきれないときは、翌月以降に繰越して控除します。

対象は、2024年(令和6年)年6月1日時点で国内に居住しており、かつ6月1日以降に支給する最初の給与または賞与を計算し、源泉徴収を行う際に扶養控除等(異動)申告書を提出している方です。

2024年(令和6年)の給与年収が2,000万円を超える見込みの場合も、6月の支給時点では年収2,000万円を超えるかは未確定のため、甲欄適用者であれば月次減税の対象者となります。

また、月次減税額は、2024年(令和6年)6月2日以降に従業員や家族の状況が変化しても変更しません。金額の変更がある場合は、定額減税額を確定させる年調減税で行います。

年調減税
以下に該当する場合は月次減税をせず、年調減税で対応します。

・2024年(令和6年)5月31日以前に退職、国外転出、死亡している
・6月1日以降に支給する最初の給与または賞与の源泉徴収において、源泉徴収税額表の乙欄・丙欄が適用されている(甲欄適用者ではない)
・2024年(令和6年)6月2日以後に、給与支給者のもとで勤務開始した

住民税

対象者
・2024年(令和6年)1月1日時点で日本国内に居住しており、2023年(令和5年)分の合計所得金額が1,805万円以下の従業員(給与所得者の場合は、給与年収2,000万円以下)

減税額
・給与/賞与等の支給対象本人:1万円
・控除対象配偶者及び扶養親族:1人につき1万円 


公的年金受給者の場合

所得税

2024年(令和6年)6月1日以降に支給する公的年金において、源泉徴収額から減税額を可能な限り控除します。1回目の源泉徴収で控除しきれないときは、次回以降(令和6年8月以降)に繰越して控除します。

減税額は、その支払者に提出された「令和6年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の記載内容に基づき計算します。

なお、公的年金等の支払者のもとで控除される減税額は、年の中途に扶養親族等の数が変化しても、その金額は変わりません。変化があった場合は、2024年分(令和6年分)の所得税の確定申告(2025年/令和7年1月以降)により調整します。

国税庁のホームページによると、確定申告による調整に関する手続については、後日改めて国税庁ホームページにて案内される予定です(2024年3月23日時点)。

参考:国税庁「定額減税について」

住民税

公的年金にかかる所得における特別徴収が2年目以降の方
2024年(令和6年)10月分の年金特別徴収税額から、定額減税が行われます。1回目の特別徴収で控除しきれない部分の金額については、12月支払分以降の税額から順次控除を行います。

例:定額減税「前」の所得割 12.5万円、均等割 0.4万円、森林環境税 0.1万円の場合(単位:万円)

※仮特別徴収税額:6.5 万円(4月:2.18 万円、 6月・8月:2.16 万円)
※特別徴収税額:6.5 万円(10月:2.18 万円 、12月・2月:2.16 万円)

公的年金にかかる所得における特別徴収が1年目の方
第1期分(2024年/令和6年6月)から特別控除を行い、控除しきれない場合は8月分支払い分以降の税額から順次控除を行います。

例:年税額6.5万円(定額減税「前」の所得割 6.0万円、均等割0.4万円、森林環境税 0.1万円)の場合(単位:万円)

※普通徴収税額:3.2 万円((所 6.0万円+均 0.4万円)÷2)
※特別徴収税額:3.3 万円(3.2万円+森 0.1万円)

総務省 個人住民税の定額減税(案)に係るQ&A集から引用

事業所得者の場合

所得税

予定納税の対象となる方は、2024年(令和6年)7月の第1期分予定納税額から順次減税し、控除しきれなかった場合は確定申告で申告します。

予定納税が発生しない方は、2025年(令和7年1月以降)の確定申告の際に所得税額から特別控除額が控除されます。

なお、「同一生計配偶者または扶養親族に係る特別控除の額」に相当する金額は、予定納税額の減額申請の手続により、特別控除の額を控除することができます。第1期分予定納税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれない部分の金額が11月の第2期分予定納税額から控除されます。

国税庁のホームページによると、確定申告による調整手続については、後日改めて国税庁ホームページにおいて国税庁ホームページにて案内される予定です(2024年3月23日時点)。

参考:国税庁「定額減税について」

住民税

第1期分(2024年/令和6年6月分)の税額から控除し、控除しきれない場合は第2期分(2024年/令和6年8月分)以降の税額から順次控除されます。


まとめ

定額減税については、今後新たな情報が順次公開されることが予想されます。今回解説した内容も、国税庁・総務省・各自治体からの発表によって変更される可能性があるため、ご了承ください。

今後も新たな情報が公開され次第、弊社ホームページ内で紹介いたします。

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