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2025.05.01
クラウド会計『freee』で経理業務を効率化しませんか?ツール概要、AOIみらいの伴走型導入プロセスを紹介
近年、中小企業やスタートアップ企業においても、経理業務の効率化・自計化・作業負担軽減を重視する企業が増えています。それに伴い、会計freeeなどのクラウド会計システムを導入する企業も増加しています。
しかし、いざ導入してみると様々な課題に直面することも少なくありません。既存会計システムからの移行、ツール学習の時間確保、業務の属人化による作業負担、ITリテラシーの有無などを想定していない場合、完全導入に時間がかかってしまいます。
税理士法人AOIみらいは、freeeの導入支援サービスを行っています。freee認定アドバイザーとして、会計のプロフェッショナルとして、freeeの導入・運用をサポートいたします。
今回は、freeeの概要・主な機能、導入時に起こりやすい課題、これから導入する企業向けの設計図作成サポートについて紹介します。
※本記事では、freeeのサービスのうち『freee会計』『freee申告』について解説していますが、記事内の表記は『freee』に統一いたします。ご了承ください。
freeeとは?おもな特徴、おすすめの企業

freeeは、直感的で使いやすいクラウド会計ソフトです。従来の会計ソフトとは異なり、「入力を無くす」という発想で設計されており、簿記の知識がなくても直感的に操作できるのが特徴です。
freeeのおもな特徴
1. 直感的な操作性
freeeは、簿記知識がなくても直感的に操作できるように設計されています。従来の会計ソフトでは簿記の知識が求められましたが、freeeではそれが不要です。特に自計化を目指す企業にとっては、通常の会計ソフトよりも使いやすいと言えるでしょう。
2. 視覚的でわかりやすい分析レポート
freeeでは様々なレポートが自動で作成されます。グラフや表形式で視覚的に経営状況を確認でき、効率的に経営判断が可能です。freeeヘルプセンターにはレポートごとの詳細説明・使い方のアイデアが掲載されていますので、ぜひご活用ください。
引用元:freee会計 freeeの機能一覧
引用元:freeeヘルプセンター「freee会計で確認できるレポート」
3. クラウドベースなので常に最新版、場所を選ばず作業が可能
freeeはクラウドベースのソフトウェアです。そのため、常に最新版を利用でき、法改正にも迅速に対応できます。また、場所を選ばず作業ができるため、リモートワークや、ノマドワークにも適しています。
4. 自動仕訳機能
「自動で経理」機能により、インターネットバンキングやクレジットカードからデータを自動取り込みし、仕訳を自動登録できます。銀行振込手数料や定期的な支払いなども自動で適切な勘定科目に登録されるため、手作業が大幅に削減されます。
5. リアルタイムの財務把握
最新の財務データをリアルタイムで確認できるのもfreeeの大きな特徴です。これにより、キャッシュフローの可視化が容易になり、タイムリーな経営判断が可能になります。
6. 統合機能
freeeは請求書発行、振込データ作成、OCR機能など、様々な機能を統合しています。他のクラウドサービスとの連携も容易で、業務全体の効率化が図れます。特に、freee内の人事労務サービスとの連携がスムーズで、給与計算や勤怠管理などの機能も一元管理できます。
freeeが特に力を発揮する企業像
freeeは、以下のような企業で特に効果を発揮します。
- 自計化を目指す中小企業
- 業務効率化を求めるスタートアップ企業
- リアルタイムの経営判断を重視する企業
- 複数の事業や拠点を持つ企業
特に自計化を目指す企業にとって、freeeは最適なツールといえます。簿記の専門知識がなくても、直感的な操作で正確な会計処理が可能な設計となっているためです。
また、税理士との連携がしやすいのも特徴の一つです。認定アドバイザーを招待する機能を使えば、顧問税理士がfreeeに入って直接確認できるため、スムーズ に連携できます。月次や決算の打ち合わせ時に、同じfreeeの画面を見ながら、その場で数字や内容を確認していくことができ、不明点の解消や理解度向上に繋がります。
freeeで解決できる課題
freeeの導入により、以下のような課題を解決できます。
- 経理業務の効率化と時間削減
- 経営状況のリアルタイム把握
- ペーパーレス化によるコスト削減
- 経営分析の高度化
導入時の課題・懸念点と対策
freeeは従来の会計ソフトとは異なり、業務プロセス全体の変更を前提としています。請求書発行や入金処理など、経理部門以外の業務も含めて再構築が必要なため、前段階の業務プロセスも含めて全体を把握し、導入計画・段取りを組むことが重要です。
導入時に発生しやすい課題・懸念点を紹介しますので、事前にチェックしておきましょう。
課題① 入力方法の違いへの戸惑い
freeeは従来の「仕訳」ではなく「取引」という独自の入力形式を採用しています。これにより、会計知識のあるベテラン社員ほど使いこなすのに苦労したり、簿記の知識と合わない部分があり、戸惑いを感じることがあります。
課題② 導入前の準備不足
以下のような準備不足があると、スムーズに導入が進まないケースがあります。
- 業務の棚卸しを十分に行わずに導入を進めてしまう
- 現状の業務フローを把握せずにシステムを導入する
- 経理以外の部門を含めた全社的な取り組みになっていない
課題③データ連携
他システムとの連携を考慮していなかったり、既存会計システムのデータインポート・エクスポート機能を把握していないと、移行作業が想定より時間がかかったり、やりたかったことができない可能性があります。
課題④ ITリテラシーの格差
企業内・部門内でITリテラシーに差がある場合、導入・運用に支障をきたす可能性があります。ITリテラシーが不足している従業員がシステムを十分に活用できず、逆にITリテラシーの高い一部の従業員に業務負荷が集中してしまうケースがあります。全社的な研修やサポート体制の整備を検討しましょう。
導入成功のポイント
freeeの導入を成功させるためには、以下のポイントを抑えることをおすすめします。
- 全社的な取り組みとして位置づける
- 段階的な導入を心がける
- 既存の業務プロセスの見直しを行う
- 社内の理解と協力を得る
- 定期的な運用状況の確認と改善を行う
AOIみらいのfreee導入支援サービス
税理士法人AOIみらいでは、freee導入をスムーズに進める「設計図シート」を活用したサポートを行っています。
設計図シートは、現在の経理業務の流れとfreee導入後の理想的な業務フローを可視化するためのExcelシートです。freee導入の全体像を把握し、段階的に導入を進めることができます。
※freee導入用_業務設計図専用シートのサンプル
設計図シート作成のプロセス
1. 現状の把握
まず、現在の経理業務の流れを「現状」の欄に記入します。多くの場合、弊社スタッフがヒアリングしながら記入させていただきます。
例えば、お客様が「紙で受領して記帳しています」とおっしゃっても、実際には現金、銀行振込、カード決済など、決済方法や口座によって資料の回収方法や入金確認方法が異なることがあります。こうした細かい違いを丁寧にヒアリングし、正確に現状を把握します。
2. 目指す形の設定
現状把握が終わったら、「目指す形」の欄を埋めていきます。ここでは、freeeの機能説明を行いながら、どの機能をどこまで活用するかを決めていきます。
例えば、「銀行のネットバンキングサービスに申込をしていただくことで、freeeと連携ができるようになり、手入力が不要になります。業務効率が大幅に改善しますが、いかがでしょうか?」といった具合に、新しい機能の導入についてお客様の意向を確認します。ただし、ネットバンキング連携を希望されないお客様もいらっしゃいますので、その場合は無理に勧めず、別の方法を検討します。
資料共有についても、freeeのファイルボックス機能を使用するか、従来通りの方法を継続するかなど、お客様の希望に合わせて決定します。
設計図シートの利点
進捗状況の可視化
導入の各ステップを一覧で確認できるため、どこまで進んでいるか、何が残っているかが一目で分かります。
コミュニケーションツール
税理士とお客様が一緒に記入することで、双方の認識を合わせながら導入を進められます。
カスタマイズの容易さ
お客様の業務に合わせて、freeeの機能をどこまで活用するか柔軟に決められます。
設定漏れ防止
freee管理画面のチュートリアルだけでは見落としがちな設定項目も、設計図シートを使えば確実に押さえられます。
導入後も継続的にサポート
導入後も、日々の運用や疑問点の解消など、継続的にサポートいたします。freeeの機能と既存業務のマッピング、必要に応じたデータ移行、社内研修の実施、試験運用、本格運用開始まで、各ステップを丁寧にサポートいたします。
運用が定着したあとも定期的に状況を確認し、必要に応じて改善提案を行ったり新機能を紹介することで、お客様の事業成長をバックアップします。
まとめ
freeeは、中小企業やスタートアップ企業の経理業務を大きく効率化し、経営の可視化を実現する強力なツールです。しかし、その導入には適切な計画と支援が不可欠です。
税理士法人AOIみらいは、freee認定アドバイザーとして、お客様のfreee導入をトータルにサポートいたします。業務フローの最適化、経営分析、継続的な運用サポートまで、幅広くご支援いたします。
freeeの導入をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。